福岡のカレー好きなら知っている

ちょっとした有名店に、

カレー好きの友人と行ってきました。

 

気温2〜3度の寒い中、

オープン前に並んでいるのは

私達だけではなかった。

 

前に2人と後ろにも数人。

そのお店は一度に6人しか入れないので、

7人目からは誰かが食べ終わるまで

外で待たなくてはならない。

 

そう、そこは

行列が出来る人気店なのだ。

普段は1時間くらい待つみたいなので、

むしろこの日が大雪の次の日で良かった。

 

友人は、ここに来るのは2度目だった。

前回はキーマカレーを食べたから、

今回はチキンカレーにするらしい。

そこのメニューは3種類しかなくて、

あとの一つは激辛カレーと書いてあった。

 

人は人生で一度はカレーにハマる時期が

やってくると言うけれど、

私もかつてそうであったみたいに、

彼女もまさに今がその時なのだろう。

最近FBに上がってくる投稿は、

ほとんどがカレーの話題ばかりになってしまった。

 

保育士さんを辞めて

 

半年程前まで保育士さんだった彼女は、

ストレスが原因で

20年近く続けてきた仕事を

ぱったり辞めた。

 

次の仕事が決まるまで、

きままな一人旅を満喫しながら

カレーに出会った。

 

もう保育士はしたくないと言う。

でも面接先に選ぶのは保育園ばかり。

受かる気がないのに受けては落ちるを繰り返し、

そろそろこんな生活も飽きてきたようだ。

 

「そんなにカレーが好きだったら、

カレー屋さんでバイトしちゃいましょうよ」

 

私の言葉に彼女は一瞬止まった。

40歳を過ぎて“バイト”という響きに

抵抗を感じたのかもしれない。

 

でも、その後

「やってみようかな」と言い出した。

 

友:「今まで行った中で、

一番おいしいと思うお店が、

昼だけ募集してたんだよねー」

 

私:「いいじゃないですか!

どうせだったらお金払って食べるよりも、

お金貰いながら賄いでカレー食べちゃえば」

 

友:「確かに。

考えたことなかったけど、

そこ賄いカレーをいつもブログにUPしてて、

たまにお客さんからリクエストあれば、

メニューになくても出してたりするみたい」

 

もう、やらない理由が見つからなかった。

 

今彼女が唯一時間とお金を費やしてるのが

カレーなのであれば、

職業柄、それをお金に変えるというのが

私の自然な発想なのだけど、

誰もがそうとは限らないみたいだ。

 

少なくとも彼女は

そういう発想には至らなかったし、

私の軽い一言が、

彼女を動かすキッカケとなった。

 

キッカケなんて、

実はほんの些細なものなのだ。

でも、このやり取りがなければ

私の一言も生まれなかったし、

やっぱり必然と言えるのかもしれない。

 

私:「どうせだったら

夜も別のカレー屋さんで

バイト掛け持ちしてみたらどうですか?

 

色んなカレー屋を中から見てみて、

良いとろこを活かして

自分でカレー屋始めたらいいですよ☆」

 

友:「私、やれるかもしれない!

こじんまりとしたお店を出すの、

実は夢だったんだよね。」

 

彼女の夢が、

ハッキリと見えた瞬間だった。

 

今まで食べてきたカレーの全てが

“自己投資”に変わった。

これから食べるカレーも、

全て大事な資料となる。

 

好きなカレーを身近で学びながら

得たバイト代が、

お店を出す運営資金となるし、

そこまで通う交通費を考えると、

引っ越した方が良さそうだということで、

まずは物件探しから始めることになった。

 

面白い。

カレー屋のオープンを待つ20分の間に、

人生の設計図が出来上がってしまった。

 

店内は料理人1人と6席のカウンターのみ。

壁に掛けられた小さな黒板メニューには、

カレーが3種類だけ書かれてあった。

 

とことんシンプルで無駄がない。

淡々と料理をこなしていく店主からは、

強力な集中力が感じられて、

質問すると邪魔しちゃいそうで諦めた。

 

そこのカレーは初めての味がした。

無言で黙々と食べ進めてしまう割には

使われてるスパイスが判明しない。

彼にしか出せない味なんだと思う。

 

外は軽く雨が降っている。

それでも列は続いていく。

待ってる人を思うと、

早く食べてあげないとと急いでしまう。

でもついじっくり味わってしまうのは、

このカレーの魅力かもしれない。

 

久しぶりにこんなにカレーと向き合った。

個人的に、味が病みつきというよりは、

カレーと向き合う時間を

また求めてしまいそうだ。

 

食うに困ったらカレー屋さんすればいい

 

福岡で今も語られる

伝説のカレー屋さんがある。

店主が病気になって

お店は閉めてしまったが、

その店主が教えたカレー屋さんが

どんどん育ってきている。

 

その店主曰く、

カレー屋さんは絶対儲かるらしい。

材料もそんなに使わないし、

フライパンだけで美味しく作れるから、

初期投資も少なくて済む。

 

最初のペーストだけ焦がさずに作っちゃえば、

あとは何を入れてもだいたい美味しくなる。

分量はテキトーで良い。

 

今は時折料理教室をしていて、

たまに学びに行くとこればかり言っている。

作り方は簡単なくせに、

めちゃくちゃ美味しい本格カレーが

出来上がる。

 

決め手はやっぱり“愛情”みたいだ。

食材に対する愛情、

食べてもらう人への愛情、

自分への愛情。

 

愛情で味が決まるんだったら、

そこにお金はかからない。

食うに困ったら、

私もカレー屋さんになろうかな(笑)