高橋統仁です。

私は毎週3回、4時間から5時間の

人工透析を受けているのですが、

透析を受けた日の帰宅時間は19:00~20:00位。

帰ると大体の場合、長女のミーちゃんは寝ています。

彼女は幼稚園が大好きで、毎日全力で遊んでくるので

19:00前には眠くなってしまう。

どのくらい幼稚園が好きかと言うと、

朝は登園時間の30分前には幼稚園に行き、

朝から全力で遊びまわる。

自ら率先して先生の手伝いをし、言う事を聞き

家では食べさせる事が一苦労の野菜も残さず食べる。

妻が迎えに行っても、

友達と遊んでいて変える気配も見せない。

幼稚園ではかなりの高評価を獲得しているようだ。

まぁ、家では我儘し放題で、なにを言っても効かないし、

悪い事は全てケイちゃんのせいにし、

もちろん野菜も食べようともしない。

4歳児にして、この内と外の使い分けを

マスターしている彼女には驚かされる。

そんなミーちゃんだが、ある日の事、

私がいつものように人工透析を受けに行き、

いつものように理事長に、「痛い所無い?、モルヒネ出そうか?」

と、何故か執拗にモルヒネを私に処方したがるのを

やんわりと断り、帰宅したら珍しく起きていた。

私は、いつものように食事をし、

人工透析で少しだるくなったので、

ソファーで少し休んでいたのだが、

ソファーに座っている私の横にミーちゃんがやってきた。

”あー、またいつものやつだな・・・。”

私はそんな事を思いながら、彼女を見ていると、

案の定、ミーちゃんは私に抱き付いてきた。

そして私を見上げ、満面の笑顔を向けて一言。

「パパ大好き!」

彼女が何か買って欲しい者がある時に使う手だ。

初めてこれをやられた時、

私は峰不二子に誘惑されるルパンのように

無条件で、「しょうがないなぁ~。」と言ってしまったものだ、

しかし、同じ手はそう何度も通用しない。

だって、何でも言うこと聞くと、

妻が冷めた目で私を睨み、

「あんまり甘やかさないように!」

と怒り出すからだ。

さて、私に抱き付き、笑顔で私を見るミーちゃんは、

「あのね、パパ!ミーちゃん欲しい本があるんだけど・・・。」

いつものように、おねだりを始める。

「ママに買ってもらえば?」

「パパと本屋さん行きたいの!」

「ママにダメって言われたんでしょう?」

「・・・。」

寂しい顔をして下を向くミーちゃん。

私はこの顔に弱い。

「大好き!」とか笑顔とかよりも、

この寂しそうにしているミーちゃんの顔に弱いのだ。

「なぇ、パパ、ミーちゃんはパパがいっちばん大好きなんだ。

だから本買って、今度の奴は付録にビーズが一杯ついてるの。」

寂しそうな顔を上げ、私を見つめるミーちゃんに

私の心は寄れ動き、結局は彼女の言いなりになってしまう。

「じゃあ、今度の休みに本屋さんに行って買ってこよう。」

「ヤッター!!」

OKをもらったミーちゃんは早々と私から離れ

布団に潜り込み寝てしう。

何だか、また上手にあしらわれた感があったが、

それよりも、問題がひとつ、

”キッチンの方はしばらく見る事は出来ないな・・・。”

見なくても、妻がどんな目でこっちを見ているか

想像はできる・・・。

さて、この記事を読んでくださっている皆様には

私とミーちゃんにおねだりされて、それを許してしまう

”ただもつまらないやり取り”に思ったかもしれません。

しかし、この会話の中にはもう一人登場人物がいます。

彼女は終始無言を貫き通し、

会話が終わった後も私の横にぞっといました。

それは、次女のケイちゃん。

彼女は何をしていたのか?それは

”新しい武器の威力を試していた。”のです。

ミーちゃんが抱き付いたのと同じころ、

ケイちゃんは私の横にやってきて、

私のお腹にずーとパンチを繰り返し打ち込んでいました。

ぞの両手には、新しく身に着けた紙コップを装着し、

妻から唯一、攻撃して良いと言われた私に対し

その威力と使い勝手を試していたのです。

そう、これは娘に甘いバカ親の会話ではなく、

私をサイフとしか思っていない長女と

攻撃目標にしか思っていない次女のお話なんです。

その後、30分間、ケイちゃんの攻撃に付き合い、

ヘトヘトになって自分の部屋に戻る私の後ろで、

「杏麿甘やかさないでよ!まったく。」

と言う妻の声が聞こえてくる。

男一人に女三人の家族・・・。

私が生き延びられても、それ以上に大変そうだ・・・。