高橋 統仁です。

「面白ければ、なんでもアリ!」

なんて言うノリで生きてきた私ですが、

”死”と言うものに直面すると、

どうしても思いだす事があります。
それは、私の父親の事。

私の両親は、すでに他界しているのですが、

その父親が亡くなる少し前の事。

私は22歳の時に、

「お前みたいな奴は、いらない。」

と、父親に言われて勘当されたのですが、

(詳しくは【高仁録】書くと思う・・・。)

今の嫁と結婚を決めた時に、

「統仁君の両親にも挨拶したい。」

と言われて20数年振りに両親と連絡を取り会いに行きました。

会って驚いたのは、

父親が小さく、弱々しいおじいちゃんになっていた事。

私に”出ていけ!”と言った頃の

面影はまるでなく、歩くこともままならない感じ。

私の父親は体育の教員をしていた事もあり、

昔はかなり怖かったので、

そのイメージの落差はかなりのショックでした。

両親に結婚の挨拶をしたのをキッカケに、勘当は解けたのと、

嫁が私の父の病気を気にしていたので、

たまに会いに行くようになりました、

その日も父と話をしながら飲んでいたのですが、

酔っぱらった父が、「頼みがある>」と突然言い出しました。

人に頼み事をすることの無かった父なので

かなり驚いたのですが、内容を聞いてもっとびっくり!

「星咲きフロックスが欲しい。」との事。

星咲き腐ロックスとは、は春に咲く花で、

普通のフロックスは、こんな感じ。

f f2 f3 f1

そして、父が欲しいと言っているのが、

h2 h h3 h1

このフロックスなのです。

私は、父の口から”花が欲しい”など聞いた事も無く、

ましてや”花を愛でる”と言う感覚があった事すら

知りませんでした。

詳しく聞いてみると、

10年くらい前に初めてこの花を見て、

”なんて綺麗なんだ。”と一目惚れ、

ずっと探していたけど見つからなかったらしいのです。

当時の私は花市場にも出入りして、

セリで買付もしていたので、思い切って話したらしい。

そういう事ならば一肌脱ごうと思い、

市場で色々調べたのですが、

これがまた中々手にはいらない品種で、

”年に1回から2回位セリに出る程度。”

らしいのです。

注文入れとけばよかったのですが、

”セリに出たら買えばいいや!”

的な軽い気持ちで注文も入れませんでした。

そんなこんなで3週間程立ち、

私は買付の他に営業もしてたので、

セリに行けない日も出てきます。

その日も朝から商談が入り、

セリに行けなかったのですが、

そんな時に限って欲しいものが出てくるものです。

私が星咲きフロックスが欲しいのを

知っていた同業者から連絡があり、

「今日、出てたよ。」なんて言われて、

「今年は買うの無理かな?」

「来年買ってあげよう。」

なんて思っていたのですが・・・。

なんと、同じ会社の社員が、

気を利かせて買っておいてくれたのです!

優しいやつです。

ちなみに、この社員も半年後、

社長にいじめられて退社するのですが、

私は最後まで彼をかばい、

それが原因で社長と険悪な関係になっていくのですが、

その話は置いといて・・・。

彼に買ってもらったのは火曜日だったのですが、

土曜日に鉢に植えて、日曜日に持っていけばいいかな。

これが私の最大の後悔。

今考えると、忙しいのを言い訳にしないで、

平日に持っていってやればよかった。

土曜日にお店で鉢植えにしてもらうのに、

朝6:00に家を出て運転している最中に携帯が鳴ります。

携帯を出ると嫁からでした。

「お父さんが救急車で搬送されたらしい。」

私はすぐにUターンをして病院へ直行しました。

容態を聞くと非常に危険な状態、

「覚悟だけはしておいて下さい。」

と、医者からは言われました。

最近、体調があまり良くないとは聞いていたのですが、

突然過ぎて、気持ちの整理がつきません。

何度か意識は戻ったのですが、

結局はそのまま帰らぬ人になってしまいました。

入院中印象に残ったのは、

意識を取り戻した時に、看護師さんが問いかけた時。

「○○さん。お子様は何人ですか?」

看護師さんは意識があるか確かめる為だったと思います。

「4人。」弱々しい声で父が言った言葉。

そこにいた全員が思いました。

”子供は3人だ!”

意識ははっきりしていないのだと誰もが思いました。

「お子様にお名前は?」看護師さんが問いかけます。

「統仁。弟、妹・・・。」そして次に出た名前。

私の妻の名前でした。

それを聞いた妻は涙を流し、

私は「この父親にはかなわない。」

と本気で思いました。

死の淵にある父が、私の妻を”我が子”と思っている。

まわりにいた全員が”間違っている”と思った位なのに

父の中では私の妻の事を大切に思い慈しんでくれた。

私が同じ状況になった時に、同じ事が言えるのか?

今の私には自信がまったくありません。

その次の日、父は他界しましたが、

最後に父親の偉大さを見せつけて逝ってしまいました。

そして、父にプレゼントするはずだった

星咲きスロックスは、父の部屋に飾られることは無く、

葬儀場の入り口に飾られることになったのです。

”花を手に入れた時に

すぐに持って行ってあげればよかった・・・。”

今でも思い出すたび後悔します。。

同時に、最後に見せた父の凄さを思い出し、

”自分もああなりたい”と、改めて思います。

その事があってから、私は”思った事はすぐに行動する。”

を心がけています。

2度とあんな後悔をするのはゴメンです。

父親とは色々とありましたが、

最後の最後に”父親の偉大さ”を見せつけられました。

私が死を迎えた時に父親のように出来るのか?

娘達に何を残せるのか?

・・・。一生、父には勝てない気がしています。