高橋統仁です。

私は毎朝6:00に起きます。

これは昔からの習慣で、会社に勤めていた頃は、

出勤する2時間前に起きるようにしていました。

癌になってから毎朝6:00になったのですが、

これには理由があります。

朝決まった時間に起きて外に出て、

妻とミーちゃんに辞めるように強く言われている

タバコを吸う・・・。

癌になってからタバコに対してうるさくなった

妻とミーちゃんには申し訳ないけど、

30年以上続けてきた事だけに、中々やめられない。

毎回火を着ける毎に反省はしているが、

心の中では辞める気があまり無いのも事実だ。

こんな事では、”お前は本当に癌と闘う気はあるのか?”

と言われてしまいそうだが、返す言葉も無い。

さて、外に出てタバコを吸いながら確認する事。

これも昔からの習慣のひとつだ。

癌になってから最初に確認するのは、

”体に痛い所は無いか?”、”体調は問題ないか?”

と言う事。

体に起こっている変化の確認を済ませる。

そして徐に2本目のタバコに”ミーちゃんゴメンネ”

と思いながら火を着け、こちらは昔からの習慣である、

”今日一日のスケジュールとおおまかな手順。”

を確認する。

”この要件には、こんな感じでやってみよう。”

等の、本当におおまかな感じでイメージするのだ。

さて、今日も御多分に漏れず6:00に起き出し、

外でタバコに火を着け、体調を確認した。

2本目のタバコに火を着けて、今日のスケジュールは・・・。

今日に限っては考える必要ナシ!

何故なら今日は記念すべき

NK細胞療法の第1回目の投与日です!

NK細胞療法(ナチュラルキラー細胞療法)

自分の血液からNK細胞を培養し、

体内の戻して癌を消滅させる療法。

実は2週間前に上京し、初診を受けて

培養する血液を採取してきました。

あれから2週間が過ぎ、

本日、めでたく初投与となった訳です。

”2か月遅れたけど、やっと癌と闘える。”と言う喜びと、

”本当に効果があるのだろうか?”と言う不安の中、

本日を迎えたのです。

さて、いつものようにタバコを2本吸い終わり、

家の中に戻ると、キッチンにいた妻が話しかけてきた。

「今日、私も病院付き合うから、何時に行くの?」

この言葉に私はかなり驚いた。

勘違いしないでほしいのは、

一緒に病院に行くのを、

今日の朝になっていきなり言ってきた事ではなく、

”病院に一緒に行く”と言う所。

何故なら8月から3週間入院をし、

癌腫瘍検査と、胆管結石の手術を2回。

計3回の手術に、妻は一度も病院に来なかった。

それも私が入院していた大学病院は

自宅から車で7分と言う近場であったにもかかわらずだ。

その妻が、今日は電車の乗って

2時間もかかる病院に一緒に行くと言うのだ。

驚きと共に、”コイツ何か他に目的があるのでは?”

等と勘ぐったりもしたが、ここは素直に

”妻のやさしさ”として受け止めることにした。

だって今日は私にとって”闘い初め”なのである。

こんな日くらいは気分良くいたい。

そんな事で、ミーちゃんが生まれてから

殆どしていまかった2人でのお出かけになって

少し恥ずかしさもありつつ、病院へ・・・。

”一体、どんな事するのだろう?”

”副作用が無いって本当なんだろうか?”

”投与したら気持ち悪くなったらイヤだな。”

電車に乗りながら、少しづつ不安も大きくなってきましたが、

こんな時、横に妻がいてくれて結構助かった。

”もし、NK細胞を投与して体調不良になっても

最悪、妻がいるからなんとかなるか・・。”

なんて事を思い、安心感が出てくる。

もし妻が私が不安になるかもしれないと思い、

気を使って付いてきてくれたとしたら、

私は妻に惚れ直し、尊敬すらするのだが、

本当の所は聞いても絶対に言わないだろうし、

今まで一緒に生活してきて

ここまで気の利いた事をしたことも無いので、

単に”東京見物”程度の感覚で付いてきたと思っておこう。

でないと私は、妻に惚れ直し、尊敬しなければならない。

さて、病院に着き民間の病院と言う事もあり、

結構豪華な個室の待合室に通され先生を待つ。

”これから何時間かかるのかな?”

なんて思いながら先生を待つこと10分。

待合室の入ってきた先生先生の手には点滴用の

容器に入ったNK細胞が目視で大体50cc程度。

「これがNK細胞です。」

「これから次回分の採血して、NK細胞を投与して終了です。」

と言ってきたので、私は、

「時間にしてどのくらいですか?」

と試しに聞いてみた。

「全部で30分もかかりませんよ。」

「・・・。」

ちょっとだけ拍子抜けした。

癌治療なんて言うから、大げさに考えていたら30分・・・。

まあ、良く考えればそうなのだろう、

前回30ccの血液を採取しただけなのだから、

培養したって1Lや2Lにはとうていならない。

それに、”NK細胞を投与するだけ”なのだ、

そんなに時間がかかるわけでもない。

なんとなく物足りなさを感じる私の横にいる

妻の顔を見ると、妻も少し残念そうにしている。

”やっぱりコイツ、私の治療中に買い物行く気で付いてきたな。”

妻に対する疑惑は確信に変わったが、

だからと言って、何がどうと言う事は何もない。

そんな訳で、私は次回分の採血と、

1回目のNK細胞を30分で投与し地元に帰ったのだが、

電車の中で妻が、「次回からは一人で行ってね。」

と言う一言に、これだけ簡単に治療が終わるなら当たり前か。

と言う思いもあり、素直に頷いた。

しかし、どんなに物足りないと思っても、

今は、これが私の癌に対する”闘い方”だ。

先生も、

「高橋さんは免疫がある方なので、きっと良い結果がでますよ。」

と言ってくれた。

NK細胞療法。期待は”大”である。